CoC [コレクション オブ クリプトコリネ] 〜水上葉の魅力〜

クリプトコリネとは

丸い葉 丸い葉

クリプトコリネ(Cryptocoryne)は、主に東南アジアに分布し、 インドからパプアニューギニアまでという限られた地域に生息するクリプトコリネ属サトイモ科(Araceae)の植物である。
属名の由来は、「crypto」というのは「隠れた」という意味であり、「coryne] は、「花序」のことである。 名前からも密林の奥深くにひっそりと根を張る姿が想像できるだろう。

広範囲の様々な環境に生息し、上流域の清流から下流域の汽水、湿地から川の中と棲み処の幅は広い。 雨季と乾季の水位差が激しい地域に、多くの種類は環境により水中葉と水上葉を切り替えて生育する。 そのため葉の形状は水中葉と水上葉では異なる姿をしている。


コルダータ フスカ

サトイモ科は、仏炎苞(ぶつえんほう)に包まれた独特の花を咲かせるが、 クリプトコリネの花はその中でも特に変わった形をしていて、種によって大きく異なる。 色も鮮やかで、同じ種でも環境が異なれば、全く違う色彩を見せてくれるのも魅力の1つである。

なぜ水上葉で育成するのか。
クリプトコリネは、主に沈水状態で市販され、アクアリウムのレイアウトに用いられるなど、一般的には水中で 育成されている。上記にも示したが、水中葉と水上葉では異なる姿をしている。水上葉は自生している環境下で の様子に近いため、言葉に表せない独特のマニアックな魅力を持っていると筆者は感じている。

また、水上育成は、蕾を付け易く、その神秘的な花を楽しむことができる。
花を咲かせたいという気持ちから始める人も多いだろう。
種類も多いためコレクションのようになってしまいがちだが、そのときは既にクリプトコリネの魅力にはまってしまっていると言える。


クルプトの魅力 クリプトのある生活

最後に、
クリプトコリネの育成は決して難しくはないことを理解して欲しい。
成長も遅く、環境変化に敏感な植物であり、葉が溶けてしまうこともあり、難しく感じてしまうだろう。
しかし、クリプトコリネには難しい種もあれば、簡単に育成できる種もある。
最初は、ハードルの低い種から育成してみることが、育成上達への近道である。
逆にその気難しいさが故に、手入れに没頭し、飽きることなく本当に楽しめる植物だと思う。
現在では、初心者からマニアまで幅広く愛されている水草である。

(2009.05.02)

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